在宅介護のための古民家リフォーム 岐阜県瑞穂市N様邸
築65年の古民家の和室を洋間に。
家族で介護をしたいから・・・
家族が介護が必要になったので、できるだけ家族に近いところに居られるように、居間に使っている和室を洋室にリフォームしたい。 あと、トイレを本人が使えるようにするにはどうしたらいいか、知恵を出してほしい。
在宅介護で大切なのは、介護される方が「まだ動ける」いう気力を維持し続けるということだと、私たちは考えています。今回もそのような考えに則ってのリフォーム案を、ご提案しました。
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昔ながらの和室です。壁が四方とも建具に囲まれ、介護には不自由することが予想されます。
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トイレは巾1m × 奥行1.2m、入口はドアでした。まわりのスペースに余裕があるので、車いすも使えるように広く造り替えます。
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解体が始まりました。ほこりが他の部屋にいかないようにビニールシートを張ります。
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床下は昔ながらの床下は丸太が使ってあり、それで床が平らになっていたので、昔の大工さんの技術を感じさせます。しかし、床束の数は1/3しかないので、現代の基準に合うように増やします。
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束石には河原の丸石が使ってあったので、コンクリート製のものに交換です。床板は当然二重張りです。
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2階の床が見える造りは、天井高が高く開放感があるのですが、冬には寒いという欠点もあります。必要なところには、断熱材を入れていきます。
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トイレを広くするために便器の向きを変え、入口を引き戸に造り替えます。
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天井の一部を梁見せにして、断熱化による低天井化を防ぎました。 無機質になりがちな洋室のアクセントの効果もあります。
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元の和室は4面とも建具でした。大きな家なので建具をそのままにすると、冷暖房の効きが改善されません。ですので、新しい建具は引き分け戸(2枚戸)にするなどして、使い勝手、空調の双方に配慮してあります。
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トイレの入り口は3枚戸になって、車いすでも出入りできるようになりました。持ち手が大きいので、開け閉めがとても楽です。
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トイレの中の様子です。肘掛け兼用の手すりと手洗い器も付いているので、ご家族の誰が使っても快適です。後に介護のレンタル手すりを置いても大丈夫な広さが、確保されています。
これで、いつでもおじいさんを迎えられます。いろいろと相談にのってもらえて助かりました。トイレも家族みんなが喜んで使ってます。ありがとうございました。
古民家は家の中に段差が多くて、どうすればもっと自由に行き来できるようになるか、考えながら作業しました。状況によってはどこに手すりが必要になるか分からないとのことだったので、補強を入れるのもしっかりやってあります。
新しいフローリングの床は水平に作るので、あちらこちらにある解体しない敷居との高さが合わず、段差をなるべく少なくするのが大変でした。それでも、どうしても段差が解消できないところには、利き腕に留意しつつ手すりの取り付けをしたのですが、この手すりは後に、高さを簡単に変えられるようにしてあります。 ご家族の中で介護を受けられるのは、とても幸せなことと思います。いい体験をさせていただきました。ありがとうございます。