岐阜県瑞穂市 趣味のステンドグラスを活かしたキッチンリフォーム
築56年の古民家。キッチン・ダイニングのリフォームと、一部屋シェルター化(地震対策)の物語です
暗くて古いキッチンを、対面キッチンにしたい
築56年になる古民家である我が家のキッチンが、古いままだったので暗い上に大きな段差もあって、使いづらい。 出来ることなら対面キッチンにしてみたい。 その時に趣味を活かせる空間に出来ないでしょうか。 そして地震への対策として、家全体の補強は無理なので、せめて家族が集まるキッチンとダイニングについては、何とか強くしてシェルターのような機能を持たせてほしい。
ご趣味のステンドグラスは、あらかじめ幾つか用意していただいた上で、それに見合った活用をします。 家自体は壁の少ない古民家特有のつくりであったので、耐震上の強化も考え、耐震については床下も含めて補強を行い、奥様の道線を考えつつ耐震壁の配置をすること。 そしてキッチンに関しては、天井の高さが低く通常のレンジフード(換気扇)が付かないので、高さの低いレンジフードをご提案させて頂きました。
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何世代も使われ続ける中、幾度も行われた修繕工事で、違う色柄の床のフローリングが3種類使われていました。これもまた、ご家族にとっては思い出のひとつです。
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別の角度からです。古いキッチンへの奥様のお悩みの一つに、私だけ家族に背を向けてキッチンに立たなくてはいけない、というものがあります。 今回のリフォームは、その不満を解消できます。
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リクシルのショールームで、キッチンの細かな仕様を選んでいただきます。 IHクッキングヒーターの掃除のしやすさなども、じっくりと吟味してください。
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解体に入りました。天井裏には、半世紀以上にわたって積もったホコリがあり、みんな真っ黒になっての作業です。古民家の再生リフォームでは、よくある風景ですが。先祖代々にわたり大切に暮らしてきたからこそ、溜まったものなのでどこか愛おしくも感じられます。
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基礎の強化工事をします。床下に、直径13㎜の鉄筋を既存の基礎に固定しながら、20cm以下の間隔になるように組みます。この後、コンクリートを流し込んで固めます。こうすることで、通常よりも強い基礎にすることが出来ます。古民家にお住いの方は、耐震性を大変気にされます。新耐震基準が制定される前の建物は、耐震の規定が無いので不安になられる方も、たくさんいらっしゃいます。
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壁は、建物の構造を考えながら補強を行います。 柱と柱・土台・梁に構造用合板を打ち付け、地震への抵抗力を高めます。
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断熱材を隙間なく施工します。床は既に入っています。天井もこの後、木材を組んでから20cmの厚さに敷き込みます。
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キッチンの工事に合わせ、外壁も張り替えます。
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新しい対面キッチンと、20年以上使われている食器棚の組み合わせも、とても上手くいきました。カラーのコーディネートは、奥様が考えられたものです。高さの制限が大きかったので、どうすればキッチンの見栄えが良くなるかをいろいろ考えましたが、最終的にうまくまとまりました。
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照明器具には、奥様が作られたステンドグラスの照明カバーが付けられています。優しい色づかいで、お部屋が一層素敵な空間になりました。
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隣室との境にも、奥様お手製のステンドグラス板が。 清潔感を感じさせるクリアブルーがとてもいいアクセントになっていますね。
(今回のようにリフォームするのが)昔からの夢でしたので、思いつく要望をどんどんお伝えしましたが、思っていた以上のキッチンにして頂けました。主人も大満足で、きららさんに頼んで良かったです。ありがとうございました。
戦後間もない住宅(古民家)は、資材が入手困難な時期だったので、いろいろな寸法の柱が使われています。そのままでは壁が凸凹になってしまうので、垂直をきちんと出して工事します。そうすることで、完成してから家具を置いても、ピタッと壁に付きます。今回は地震への対策で壁を補強しながらでしたので、垂直にするのは結構大変でしたが、お客様に本当に喜んでもらえたので、とてもうれしく思います。
築年数56年は昭和30年に建てられたお家ということで、工事の前に構造的なことを念入りにチェックしました。そして奥様からは、次々にインテリアのアイデアを出していただけました。お客様が大変満足されたリフォームになったのですが、O様ご夫妻を拝見していて、やはりお家を工事する時には、「楽しむ」ことが何よりも大切ということを、改めて認識させて頂きました。 O様、ありがとうございます。