築350年 江戸時代の本陣を古民家鑑定
岐阜県 古民家鑑定士 全国古民家再生協会岐阜第二支部 支部長の、井上理崇です。
先日、岐阜県古民家再生協会の有志5名とともに、
岐阜県美濃市 築350年 江戸時代の本陣 古民家鑑定 実技講習してきました。
今回、古民家鑑定の舞台となったのは
昨年ユネスコの世界無形文化遺産登録された、美濃和紙で有名な
岐阜県美濃市 国選定重要伝統的建造物群保存地区
『うだつの上がる町並み』の鈴木公平家住宅
普段は、外観しか一般公開されていない特別なお屋敷でした。
当日は、古民家再生協会岐阜 大下支部長をはじめ
古民家鑑定調査票の450項目のチェック項目に基づき、古民家鑑定士同士で検討しながら鑑定を進めていきます。
チェック項目は、
土地、敷地境界、家屋、地盤、周辺環境、構造、基礎、外壁、屋根、内部、給排水
と細部に分かれ、全項目をチェックするには相当な時間を要します。
床の間に神様を祀った、神様の間がありました。
天から光取り入れる、明り取りだけで十分室内は見渡せる中にも、
光と影
谷崎潤一郎の随筆、陰翳礼讃(いんえいらいさん)
にも通じる、光と影の使い方に、武者震いをしました。
手作りのガラスで出来た木製建具のあるガラスの間
今ではも作ることのできない、手作りガラス。
割ってしまったら修復は不可能だとか・・・
ガラス1枚1枚に、異なる気泡や歪みがあり、
手作り風鈴の中に居るようなどこか心地よい、優しい景色が広がります。
裏には、博物館等でしか見たことの無い、模様の入った
特注の便器がお出迎え。
明治村で見たトイレに似ているが、もっと古い物なのだろうか、
とても美しい保存状態。
現在でも使用が出来るというから驚きです。
ガラスの間を降りると、Rになった傾斜天井が特徴的な旦那様の部屋。
蔵には、海鼠壁(なまこかべ)が、施され美濃 うだつの上がる町並みの名士を物語っています。
ちなみに、うだつとは「うだつ」とは隣家との境界に取り付けられた土造りの防火壁のことです。
これを造るには相当の費用がかかったため、裕福な家しか設けることができませんでした。
すなわち「うだつが上がる」ということは富の象徴であり、「うだつの町並み」は当時の繁栄を物語っています。
今回は、ご当家の方々、地元メディアの取材や市役所、教育委員会、関連のある方々
ご近所さん、 観光客の方々、多くの方々に見守られながらの 古民家鑑定実技講習となりました。
教育委員会様による家の説明もあり、1部屋1部屋詳しく説明して頂き、
理解も深められ、また古民家鑑定士としてもスキルアップすることが出来たと思います。
今回の古民家鑑定は、岐阜県で古民家リフォームに携わる者として、
本当にためになった1日でした。
これからも、日本の宝である古民家を 未来の子ども達のために 残していけるように
スキルアップに努めます。
岐阜県瑞穂市十七条737-1
TEL:0120-28-5893
築350年 江戸時代の本陣を古民家鑑定